英文法

動名詞とは

動名詞とは、動詞の後ろにingを付けたもので、名詞と同じ働きをするものです。ここでは動名詞の使い方、そして不定詞との使い分けについて説明しています。

動名詞とは何か

動名詞とは、動詞の後ろにingを付けたもので、名詞と同じ働きをするものです。例えば『書く(write)』という動詞に『ing』を付けることで『書くこと(writing)』と名詞化することができるのです。英文において動名詞は主語になることが可能なだけでなく、補語や目的語になることも可能です。

名詞と同じ働きをする動名詞ですが、動詞出身であるだけに、動詞の機能も持ち合わせています。

例えば、動名詞は完了形や受動態で使われることもありますし、副詞で修飾されることもあります。

使い方によって名詞的な性質が強くなったり、動詞的な性質が強くなったりするのです。

動名詞の作り方は動詞の後ろにingを付ける、というものですが、例外もあります。

詳細については『進行形・未来形』のページを参照してください。

動名詞の使い方6種類

  • 主語として使う
  • 目的語として使う
  • 前置詞を含む表現の後ろで使う
  • 動名詞で否定を使う
  • 動名詞を受動態で使う
  • 動名詞を完了形で使う

主語として使われる場合

例文:Speaking is not allowed.

これは『話すことは禁じられています』という文です。『speaking』の動詞は『speak(話す)』ですが、『ing(~すること)』を付けることで『話しをすること=話すこと』という名詞を作っています。

構文としてはS(主語)V(述語)C(補語)型で、『Speaking』は主語として使用されています。

補語として使われる場合

例文:My hobby is dancing.
これは『私の趣味はダンスをすることです』という文です。『dancing』の動詞は『dance(踊る)』ですが、『ing(~すること)』を付けることで『ダンスすること』という名詞を作っています。

構文としてはS(主語)V(述語)C(補語)型で、『dancing』は補語として使用されています。

目的語として使われる場合

例文:I love riding my bike.

これは『私は自転車に乗ることが好きです』という文です。『riding』の動詞は『ride(乗る)』ですが、『ing(~すること)』を付けることで『乗ること』という名詞を作っています。

構文としてはS(主語)V(述語)O(目的語)型で、『riding』は目的語として使用されています。

前置詞を含む表現の後ろで使われる場合

例文:I am ashamed of being scolded infront of people.

これは『私は人前で叱られることを恥じている』という文です。『ashamed of』のように前置詞を含む表現の後ろには動名詞を置きます。

このような前置詞を含む表現で代表的なものは下記のとおりです。

  • sure of
  • proud of
  • afraid of
  • ashamed of
  • insist on
  • looking forward to
  • used to

なお、仮に同じ意味でも『I am ashamed that』という文だった場合は、thatの後には節が続くため、動名詞は置けないことになります。

動名詞で否定を使う場合

例文:I am sure that I wouldn’t visit him.
これは『私は彼を訪れないと確信している』という文です。これを『I am sure of』で始まる文に変えると、

I am sure of not visiting him.
となります。否定の『not』は動名詞の前に置きます。

上の例文では、that(あるいはof)の前後の主語が同じでしたが、主語が異なる場合について考えてみましょう。

例文:I am sure that he wouldn’t visit me.私は彼が私を訪れないと確信している

『確信している』のは『私』で、『訪れない』のは『彼』です。このように主語が異なっている場合に『I am sure of』で始まる文に変えると、

I am sure of him not visiting me.あるいは、I am sure of his not visiting me.となります。

動名詞を受動態で使う場合

例文:I am happy being praised.私は褒められて嬉しい

直訳すると『私は褒められたことが嬉しい』ということになります。

このように『~されること』を表現する場合、『~すること』という意味を持つ動名詞と『~される』という意味を持つ受動態が合わせます。受動態はbe動詞+過去分詞なので、動名詞を受動態で使う場合はbe動詞の部分をbeingに変形させて使用します。

なお、上記例文をthat節を使って表す場合はI am happy that I am praised.となります。

動名詞を完了形で使う場合

動名詞の完了形は現在完了形『have+過去分詞』と動名詞の『ing』が合わさったもので、『having +過去分詞』で表されます。意味は『~したこと』と訳されます。

では、先ほどにも出てきた『私は人前で叱られることを恥じている』という文を時制によって変形させながら見ていきましょう。

例文1:I am ashamed of being scolded infront of people.

例文1は前半と後半の時制が一致しています。後半は動名詞を受動態で使用しています。

では、『叱られた』のが『恥じている』現在よりも過去だった場合はどうなるでしょうか。『私は人前で叱られたことを恥じている』という意味の文になるので、『I am ashamed of』までは例文1と同じですね。

そして英文後半部分は、『叱られた』ことがすでに完了していることが分かる文にする必要があるので、動名詞の完了形を使って『having been scolded』となるのです。合わせると、下記例文2のようになります。

例文2:I am ashamed of having been scolded infront of people.

では、次に『恥じている』のも『叱られている』のも過去の出来事であった場合はどうなるでしょうか。

まず、『I am ashamed of』の部分は過去形になるので『I was ashamed of』となります。そして後半は、時制が『ashamed』と同じ場合と、それよりも以前の場合によって異なります。

下記例文3は『ashamed』と『scolded』の時制同じ場合の文です。

例文3:I was ashamed of being scolded infront of people.

訳すと、『私は人前で怒られることを恥じた』となります。

では、『scolded』の時制が『ashemed』と同じだった場合はどうなるでしょうか。答えは例文4の通りです。

例文4:I was ashamed of having been scolded infront of people.

訳すと、『私は人前で怒られたことを恥じた』となります。

このように、文の後半の時制が前半の時制よりも以前である場合は、後半に続く動名詞は完了形で使われます。

動名詞とto不定詞の違いについて

動名詞と同じように名詞的用法があるものにto不定詞があります。いずれももともとは動詞ですし、どのように使い分ければよいのか悩ましいところですよね。

実際、動名詞とto不定詞のどちらを用いても問題ない場合はありますが、どちらを用いるかによって意味が異なってきてしまうものもありますから、注意が必要です。

動名詞とto不定詞の性質

いずれも動詞出身ではありますが、to不定詞は『これからある行動をとる』、あるいは『これからある状態になる』ということを示すのに対し、動名詞は『現時点で事実となっていること』『過去のこと』を示します。

to不定詞が未来的志向なのに対して、動名詞は現在的志向あるいは過去的志向なのです。

よって、これから何かをしよう、という未来に向けた意思を示す動詞には動名詞ではなく、to不定詞を用います。動詞の例としては下記が挙げられます

  • want
  • plan
  • wish
  • agree
  • decide
  • expect
  • hope
  • promise
  • refuse

また、現在あるいは過去の事柄にどう対応するかを示す動詞には、to不定詞ではなく、動名詞を用います。動詞の例としては下記が挙げられます

  • give up
  • practice
  • escape
  • avoid
  • consider
  • enjoy
  • finish
  • mind

後ろに動名詞をとっても、to不定詞をとっても同じ意味になる動詞は次の通りです

  • start
  • intend
  • refer
  • begin
  • continue
  • like
  • love
  • hate

動名詞とto不定詞 どちらを取るかによって意味が変わる動詞

注意が必要なのは、後ろにto不定詞も動詞も取れるが、どちらを取るかによって意味が変わってくる動詞です。ここでは主要な5つの動詞をマスターしましょう。

  • forget
  • remember
  • stop
  • tried
  • regret

例1
Don’t forget(Remember) to write it down.(書いておくことを忘れないようにして下さい)
Don’t forget(Remember) writing it down.(書いておいたことを忘れないようにして下さい)

I stopped to talk to him.(彼と話すために止まった)
I stopped talking to him.(彼と話すのをやめた)

I tried to open the door.(私はドアを開けようとした⇒開けたかどうかは分からない)
I tried opening the door.(私はドアを開けてみた⇒開けたことが確か)

I regret to tell you this.(私はあなたにこれを伝えなければいけないことを残念に思う)
I regret telling you this.(私はあなたにこれを伝えたことを後悔している)

このように、to不定詞を用いた場合と動名詞を用いた場合とで、意味が大きく変わってくるので注意して使い分けましょう。




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