文中において、語・句・節などをつなげる語が接続詞。一言で接続詞とは言っても、「等位接続詞」と「従属接続詞」に分けられ、その中にもまた様々な意味の接続詞が存在します。全て一度に覚えることはなかなか難しいため、まずは基本的な法則から理解し、そこから徐々に積み上げて知識を増やしていきましょう。ここでは、接続詞を理解する上で絶対押さえるべき基本的なルールを、例文を交えながらご紹介していきます。
等位接続詞とは?
まず始めに「等位接続詞」の基本ルールから紹介します。
等位接続詞は以下の7つ。これはしっかり押さえておきたいところです。
and | 〜と〜、そして〜 |
but | しかし、〜ではなくて |
so | 〜だから |
or | 〜か、さもなければ、すなわち |
for | 〜というわけで、〜だから |
nor | 〜もまた…ない |
yet | 〜けれども、〜にもかかわらず |
さてここで等位接続詞における重要なポイント。
『等位接続詞は文法上対等なものを繋げる』ということです。
「等しい位」と書く等位接続詞。その名の通り2つ以上の語・句・節を対等な関係で結ぶものですが、その際大切なのが、等位接続詞の両サイドには対等なものを置く、ということなのです。単語であれば単語、節であれば節、といった形です。
<例文>
- He studied French and Spanish. (彼はフランス語とスペイン語を勉強した)
- I like basketball but she doesn’t like it. (私はバスケットボールが好きだが彼女は好きではない)
- He is very rich yet he is so kind. (彼はとても裕福だがとても優しい)
- ※yetはbutより後ろの文の意外性を強調する役割があります。
- I was tired yesterday so I went home early. (私は昨日疲れていたので早く家に帰りました。)
このように、等位接続詞の使い方はシンプルです。繋げたい文(単語)の間に適切な接続詞を置くだけで、気をつけることは、単語なら単語、文なら文を置くということですね。
ここで少し余談になりますが、皆さん「FANBOYS」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。これは「for, and, nor, but, or, yet, so」の接続詞の頭文字を並べたものです。これらの接続詞で文頭に置くことはあまり良くないとされていることから、学校ではそれを覚えるために「FANBOYS」という言葉を教えているところがあります。
学校で等位接続詞を文頭で使わないようにと教えられている方も多いかと思うので、初めて聞いた方もこれを機に「FANBOYS」で覚えてみてはいかがでしょうか。
等位接続詞に関して例文を用いてご説明しましたが、みなさんそれほど頭を悩ませずご理解頂けたのではないでしょうか。
そこで次に、「接続副詞」をご紹介したいと思います。等位接続詞は先に挙げた7つですが、実は接続副詞も等位接続詞と同じ働きをすることが出来るのです。接続副詞はTOEICや入試でも頻出の重要単語と言っていいでしょう。またそれ以外にも、一語でなく二語以上のカタマリで接続詞の働きを為す「相関接続詞」も存在するので、以下少しご紹介しておきます。
接続副詞とは?
接続副詞とは、文章中において等位接続詞と同じような働きをする副詞のことを言います。代表的なものは以下のものがあるのでこちらは覚えてしまうと良いでしょう。
also | 〜もまた、同様に |
besides | その上、〜の他に |
moreover | さらに、加えて |
therefore | その結果、そのため |
thus | このように、従って |
consequently | それ故に、その結果として |
however | しかしながら、けれども |
nevertheless | それにもかかわらず、そうは言うものの |
otherwise | さもなければ、そうしなければ |
as a result | 結果として |
even so | 例えそうであっても |
on the other hand | その一方で、他方では |
そして重要ポイント。接続副詞は「副詞」の一つなので、その使い方も「接続詞」とは異なるので注意しておきましょう。例えば、先ほど例に挙げた下の文章を、howeverを使ったものに書き換えるとどのような文になるでしょうか。
I like basketball but she doesn’t like it. → ?
①I like basketball, however she doesn’t like it.
②I like basketball. However she doesn’t like it.
こちらの二文、どちらが正しいでしょうか?
正解は②番です。
接続副詞は、等位接続詞のように文章をそのまま繋げることが出来ません。そのため、一度ピリオドで区切った後に接続副詞を置きます。あくまで接続「副詞」なので、接続詞と同じ使い方をしないよう用法をしっかり覚えておきましょう。
そして接続副詞にはもう一つの特徴があります。接続副詞は接続詞に比べ様々な場所に置くことが出来るということです。
置ける場所は以下の3箇所。
- 文頭 I like basketball. However she doesn’t like it.
- 文の最後尾 I like basketball. She doesn’t like it however.
- 主語と述語の間 I like basketball. She, however, doesn’t like it.
等位接続詞は両サイドが対等な関係にならなければいけないため、接続副詞ほど柔軟には置くことが出来ません。TOEICにおいて、どちらか見分ける問題も出されることがあるので、特徴をしっかりと捉えて覚えておきましょう。
- 等位接続詞は両サイドが対等な関係になる
- 接続副詞は必ずピリオドと共に使う
相関接続詞とは?
次に、相関接続詞を少し紹介しておきましょう。相関接続詞とは、一対になったいくつかの語が接続詞のような働きをするものを言います。長文読解には欠かせない接続詞なので、知らないものはチェックしておきましょう。以下、代表的な相関接続詞を記しておきます。
both A and B | AもBもどちらも |
not only A but also B | AだけでなくBも |
either A or B | AかBかどちらか |
neither A nor B | AでもなくBでもない |
whether A or B | AであろうとBであろうと |
between A and B | AとBの間 |
so 〜 that … | とても〜なので・・・ |
as soon as 〜 | 〜するとすぐに |
even if 〜 | たとえ〜でも |
as A as B | Bと同じくらいA |
さて、みなさんここまで整理出来ましたでしょうか。次はいよいよ「従属接続詞」についてです。等位接続詞に比べると種類も多く複雑に思える従属接続詞ですが、大切なルールはただ一つ!
では早速見ていきましょう。
従属接続詞とは?
等位接続詞が対等な関係をつなぐということは皆さんご存知ですね!それに対し、従属接続詞には「主従の関係」が存在します。メインの文に理由・条件など、あらゆる要素を付け足し補足するもので、接続詞のうち先に挙げた等位接続詞以外は、ほとんど従属接続詞です。
そして従属接続詞の重要ポイント!
『従属接続詞のあとには完全な文がくる』ということです。
<例文>
・I had a good experience while I was staying in China.
(私は中国に滞在している間良い経験をしました。)
接続詞whileのあとを見てみると、SVが存在する第二文型となっています。
ではそれに対して次の文章はどうでしょう。
・I had a good experience during my stay in China.
(中国での滞在中私は良い経験をしました。)
こちらの文は接続詞whileの文を前置詞duringで書き換えたものです。during以下を見てみると、名詞がきていることが分かります。whileとduringのように、接続詞と前置詞を見分ける問題もあるので、その時は後ろの文に注目しましょう。
従属接続詞の基本ルールが分かったところで、次は従属接続詞の種類を見ていきましょう。従属接続詞には、名詞節を導くものと、副詞節を導くものがあります。たくさん種類があるのですが、TOEICだけでなく受験の際など、長文読解にはとても重要となってくる接続詞です。接続詞一つを知っているか知らないかで、訳の仕方が全く変わってきます。接続詞のルールを理解出来たら、次は少しでも多くの接続詞を覚えられるようにしましょう!
名詞節を導く従属接続詞
名詞節とは、文中において名詞の働きをする節のことで、主語・補語・目的語、または同格語になり得ます。この名詞節を導く従属接続詞は以下の3つです。
that | 〜なこと |
whether | 〜かどうか |
if | 〜かどうか |
<例文>
・Whether you will succeed depend upon your efforts.
あなたが成功するかどうかは君の努力次第である。 (主語)
・The problem is that he has no patience.
問題は彼の忍耐力の無さだ。(補語)
・You need to ask him if he would like to join us.
あなたは彼が参加したいかどうか訪ねる必要がある。(目的語)
・I had no idea that you were there.
私はあなたがそこにいるなんて思わなかった。 (同格語)
副詞節を導く従属接続詞
副詞節とは、文中で副詞の働きをするもので、時・原因や理由・条件などの情報を主節に付け加えるものです。
時を表す
when | 〜する時 |
while | 〜の間に |
after | 〜の後に |
before | 〜の前に |
until/till | 〜まで |
since | 〜以来 |
once | 一旦〜すれば |
as | 〜するように |
原因・理由を表す
because | 〜なので |
since | 〜なので |
so 〜that | とても〜なので |
now that | 今や〜なので |
so that | 〜だから |
条件・譲歩・状態を表す
if | もし〜なら |
as if | まるで〜のように |
although | 〜にも関わらず |
unless | 〜でない限り |
whether | 〜であろうとなかろうと |
than | 〜よりも |
as though | 〜ではあるが |
in case | 〜する場合は |
名詞節と副詞節の見分け方
名詞節と副詞節、それぞれを導く従属接続詞をご紹介しましたが、ここでまた一つポイントです。
『時や条件を表す副詞節中で未来形は使わない』ということ。
つまり、ifやwhenを使う文となります。ただ、名詞節と副詞節を見分けられないことにはどうにもなりません。そこで皆さんに簡単な見分け方をご紹介したいと思います。
・名詞節とは・・・主語・補語・目的語になるもの
つまり、名詞節は文の中で省略することが出来ない!
<例文>
You need to ask him if he would like to join us.
あなたは彼が参加したいかどうか尋ねる必要がある。
上記の文はaskを使った第四文型(SVOO)となります。なのでhimの後ろを省略してしまう と、何が尋ねたいのか大事なことが分からなくなってしまいますね。if節が省略出来ないのでこの文は名詞節だと判断出来ます。
・副詞節とは・・・時・原因や理由など、情報を付け加えるもの
つまり、副詞節とは元からある文に情報を付け加える修飾語=省略できる!
<例文>
I won’t go out if it rains tomorrow.
明日雨が降ったら私は外出しないだろう。
こちらの文、if以下が条件節となって前の文を修飾していることが分かります。そしてif以下を省略すると、I won’t go out. (私は外出しないだろう。)と意味の通る文になるのです。なのでこちらは副詞節だと判断することが出来るため、未来のことを話しているとしてもrainsと現在形が使われています。
上記のように見分け方を書きましたが、もう一つ分かりやすいポイントがあります。それが訳し方です。
- 名詞節の場合・・・「〜かどうか」
- 副詞節の場合・・・「もし〜なら」
それぞれこのような訳し方になるので、日本語にしてみて見分けるのも一つの見分け方ですね。
ここまで接続詞について説明してきましたが、次はTOEICにおける接続詞の注意点・ポイント等をご紹介します。
TOEICでの解き方
TOEICのReadingで出題される接続詞の問題。多くとも2、3問と出題数は少なめですが、接続詞は基本的なことを理解してさえいれば時間をかけずに解ける問題です。2、3問といえども、必ず正解出来るようにしておきたいところです。
part5・6での出題パターンとしては、以下の2つが挙げられます。
- 前置詞と接続詞の中からどちらかを選ぶもの
- 接続詞の意味を理解しているか問うもの
①前置詞と接続詞の違いは、皆さんどのように見分けるかもうお分かりですね?従属接続詞の場合は、後ろには必ず完全な文が来るとお伝えしましたね。つまり、空欄の後ろに注目してみると自ずと答えは出てきます。文章がきていれば接続詞を、名詞がきていれば前置詞となるわけです。(接続詞whileと前置詞duringのどちらかを選ぶ問題はよく出題されています。)また、Part5では、四択のうち二つは明らかに違う答えの場合が多いので、消去法であまり時間をかけずに解ける問題です。
②接続詞の意味を理解しているか問うものは、文脈に沿って適切なものを選ぶものが多いので、接続詞の意味・訳をきちんと理解していることが重要です。この記事の中で挙げた接続詞は全て覚えておいた方が良いでしょう。
接続詞一つを取ってみても、覚えることはたくさんあります。ですが、その単語を知っているか知らないかでは、長文の読解力も読むスピードも大きく変わってくるのです。単語が理解出来なければ、前後の文章をしっかり読んで判断する必要があります。その力も大事ではありますが、TOEICや受験ではスピードも大事になってくるので、その時間が自分の足を引っ張ることになりかねません。覚えておけば、長文を読むスピードや訳の仕方もスムーズになるのは確実です。一度に全部は無理でも、毎日英語に触れていくことで少しずつ、確実に定着させていくことを心がけましょう。
接続詞に関しての説明はここまで!それでは最後に英語のことわざを少し紹介して終わりたいと思います。
使えたらかっこいい!〜英語のことわざ
英語のことわざって、ふとしたときにサラッと使えるとかっこいいですよね。そんなことわざたち、意外とシンプルで覚えやすいものが多いことを皆さんはご存知でしょうか。以下、私が個人的に好きなものを幾つかご紹介します。
・Strike while the iron is hot. 「鉄は熱いうちに打て」
・If today will not, tomorrow may. 「今日がだめでも明日はうまくいくかもしれない」
・After rain comes fair weather. 「雨降って地固まる」
・When in Rome, do as the Romans do. 「郷に入っては郷に従え」
・Live and learn. 「生きて学べ」
ここでは接続詞を使ったものを書きました。見て頂くと分かるように、複雑なところはほとんどなく、使われている単語も比較的基礎レベルのものばかりです。最後の「Live and learn.」はまさにそのままですね。
そしてもう一つ。「Time is money.(時は金なり)」ということわざ。接続詞とは関係ないですが、実はこのことわざ、私が英語に興味を持ち始めたきっかけなのです。普段見慣れない英語という外国語。とっつきにくい印象もあるかもしれません。ですが、少し話せるだけでも自分の世界が、可能性が広がります。英語が苦手な人も、ことわざをきっかけに私のように興味を持って頂けると嬉しいです。